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2024年11月21日
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vol.5 【特集】SPECIAL INTERVIEW(バカーリー・ワイルダーさん)
2010年08月01日
SPECIAL INTERVIEW
Baakari Wilder
バカーリー・ワイルダーさん プロフィール
■何歳からタップダンスを始めましたか?
3歳からだね。母が週末に僕をタップクラスに連れて行ってくれたんだ。それに母はビデオをいっぱい見せてくれたよ。ビル・ロビンソンやグレゴリー・ハインズのビデオをいっぱい見たね。子供の頃、彼らをテレビやビデオで見てたんだけど、後にタップフェスティバルでそのうちの何人かに実際に会うことができたんだ!とてもラッキーだったと思うよ。
■家族の中で誰かタップダンスをする人がいたんですか?
祖母がタップダンスをやっていたよ。祖母はタップの先生のアシスタントをやっていたんだ。祖母が人前でパフォーマンスをしていたかどうかは知らないけど、タップをやってたことは確かだよ。
■3歳でタップダンスを始めてから一度もタップダンスを辞めた事はありませんか?
一度もないよ。僕はよく練習したし、発表会にも出たよ。ずっとダンスが好きなんだ。子供の頃の僕にとってダンスは、ただ「楽しい」ものだったね。
■プロのタップダンサーになりたいと思った事はありましたか?
子供の頃は、ただ楽しいことをしてるだけだったんだ。だからプロになりたかったかどうかは覚えてないな。何が夢(ゴール)だったか覚えてないけど、演技をするのも好きだったんだ。だから俳優にもなりたかったな。タップをしてると幸せだって感じるんだ。自分が好きなことができて、なお且つそれが職業になってるっていうのは幸運なことだね。最初から好きなことをやれた事を幸せだと思ってるよ。
■一度もタップをやめたいと思ったことはありませんでしたか?
実際一度だけあるよ。子供の頃通っていたクラスは僕ともう一人の男の子を除いて、あとは全員女の子だったんだ。そのもう一人の男の子がやめた時、僕は少し恥ずかしくなったんだ。だって自分がクラスで唯一の男の子になってしまったからね。たぶん8歳の時だったはずだよ。だけど、何が自分をタップダンスに戻したかっていうと、自分の妹を タップクラスに連れていかなければならなかったことなんだ。妹とスタジオに行った後、クラスに戻ることに決めたんだ。でも(男一人のクラスに)戻りたくないって思ったのは、その時のすごく短い期間だけだよ。僕が子供の頃はコミュニティーセンターでタップを習ってたんだ。小さい時はとっても臆病だったし、当時はタップダンスがどれだけすごいかって理解してなかった。だけど段々好きになっていって、今では僕だけが一人男の子でタップをやってたって事をとてもラッキーだと思ってるよ。
■ブロードウエイのショーはあなたのキャリアにとって一番大きな功績の一つだったと思いますか?
そうだね、とても大きな出来事だと思うよ。あれは、18歳の時だね。まさかブロードウエイで仕事ができるなんて夢にも思ってなかったから。それはとても特別な時間だったよ。だってセヴィアン・グローバーがいたからね。セヴィアンは自分にしてみれば、"天才"だね。世界の素晴らしいダンサーの一人だと思うよ。僕は彼から多くのことを学んだよ。タップダンスに関して言えば、あの経験が僕をより良いダンサーにしてくれた。本当に毎晩踊ってたよ。素晴らしいディレクターと仕事をする機会にも恵まれたしね!
■その他、貴重な仕事(チャンス)としてどういった経験がありましたか?
ジミー・スライドと仕事をする機会が数回あったんだ。それはミュージカルじゃなくてショーだったね。フランス、日本でもやったよ! 確か東京だったかな。彼は指導者以上の人だったね。ダンスに関することや好きなことをよく話したな。もう一つの大切な時間といえば、子供の時に初めてセヴィアンにあった時だね! 特にあの頃は映画『TAP』が出た時だったからね。彼はマスタークラスを教えていたんだ。子供の頃、自分が尊敬する人、ジミー・スライドからバスター・ブラウンまで色んな人の真似を本当にたくさんやったよ。でも僕とセヴィアンは年も近かったこともあって、彼からたくさん学んだし、良い関係を築いてることは幸運なことだと思うよ。
■世界中を飛び回っておられますが、日本の生徒とアメリカの生徒など日本とアメリカで何か違いを感じる事はありますか?
日本の生徒はとても熱心だし、技術面では正確にステップを学んでいるな、といつも思うよ。すごいエネルギーを注ぎ込む傾向があるけど、それを何でもないことのようにやってのけるよね。アメリカでは時々集中力を欠いてる人がいるんだ。でもそれってお互いを尊重していないってことだと思うんだよね。日本の文化を通して考えると、クラスの中で“互いを尊重しない”なんてことはないでしょ? もう何年も日本に行ってるから、ずいぶん日本文化が理解できるようになってきたし、日本の生徒が熱心で一生懸命な理由がわかるようになってきたよ。僕は間違いなく日本のタップダンサー(生徒達)を評価してるよ!世界中の人は皆自分なりの方法でダンスを愛してるよね。日本人は日本人のアメリカ人はアメリカ人なりの方法でね。僕は必ずしもそれぞれの”love“を比較したいとは思わないよ。でも厳密に言えば、レッスンに対する意欲には違いがあるよね。
■パフォーマンスをする時、常に心がけていることや忘れないでいることはありますか?
いい質問だね。僕は、自分のリズムを聞くことを心がけてるよ。自分のリズムや自分が何を言おうと(どのような音を作ろうと)しているかを聞くことは勿論だけど、自分の中でリズムを保つことを心がけているんだ。実際、ダンスをしているときにいつも考えているっていうわけでもないけど、、「タイミング」・「滑らかさ」・「自分(の音)を聞く」とか。ん~何ていうのかなぁ~バンドと一緒にパフォーマンスをする時は、なんて美しいサウンドなんだって考えてるし! あ、そうだ! きっとこれが答えだね。僕は「自分の感性で踊ってる」んだ。考え始めると集中できなくなって焦点を見失う事もあるから、ずーっと何か考えてるわけじゃないんだけど、考えてることがあるとしたら、“感性”だね。
■何か生活(人生)においてエキサイティングなことはありましたか?
YES! 息子が生まれたよ!!
息子は今1ヶ月と5日だね(インタビュー当日現在)至って健康だよ!!
■息子さんにタップダンサーになってほしいですか?
息子は彼自信がなりたいものになったらいいと思ってるよ。もちろんタップダンスがどんなものかってことは知って欲しいと思うけど、もし彼がなりたくなければ、タップダンサーなる必要なんてないんだ。でも父がタップダンサーだから、僕が彼に求めるとしたらただ「タップをどう踊るか」は知って欲しいかな。もし息子がタップを始めたら、それはとってもナイスなことだよね!
■次のゴール(夢)は何かありますか?
役者としてのゴールかな。今「演じる」ということについてもう一度大学で勉強しているところなんだ。あとは、6月にタップのパフォーマンスでフランスに行く予定があるよ。日本にも行きたいしね。いつもはこの時期に今年の予定を話し合うんだけど、最近とても忙しくて、いつ日本に行けるかはまだ決まってないんだ。3月にはDCタップフェスティバルがあるね。僕はそのフェスティバルで名誉な賞を貰える予定になってるんだ。パフォーマンスもする予定だよ。
■あなたについて、皆が知らないことって何かありますか?
役者をやってることかな。それから2011年に演劇の学士号を取る予定だよ。あとは、手話通訳者になるつもりなんだ。言語を勉強する事には興味があるし、他の言語を学びたいと思ってるんだ。スペイン語も習ってたけど、やめてしまって、次に手話を習い始めたんだ。昔、キャンプで耳の聞こえない人達を手助けした経験もあるよ。大学で手話を習い始めて6年になるんだけど、チャンスがあれば、公認の手話通訳者になるつもりだよ。
■最後に一言お願いします。
僕は、学びたいと思っている人にタップを教えることが好きなんだ。教えるってことは自分へのモチベーションにもなるからね!
インタビュー/翻訳:北野友子
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