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2025年04月21日
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vol.5(2010年5月1日発行)
2010年08月31日
【特集】
スペシャルインタビュー
Baakari Wilder(バカーリー・ワイルダー)
「Style of Tap Dancing」 1300人のボディドラム編(奈良)
「EVENT REPORT」 2010.2~2010.3
「Jamixxx vol.3」 mono-moon Tap Dance School
「TOKYO EVENT REPORT」 HARAJUKU BEAT STREET
「The 対談」 学生映画監督&リズムタップダンサーCOCORO
「タップシューズ物語」 タップシューズってどんなん?
「海外レッスン奮闘記」 北野夫妻からのエアメール-4
「イベント告知」 タップダンスコンテスト Musication
★イベント情報★
6/25(金) TAP DANCE コンテスト Musication(大阪)
10/16(土) Funk Tap Day vol.7(大阪)
★協賛★
BASEMENT
vol.5 【特集】SPECIAL INTERVIEW(バカーリー・ワイルダーさん)
2010年08月01日
SPECIAL INTERVIEW
Baakari Wilder
バカーリー・ワイルダーさん プロフィール
■何歳からタップダンスを始めましたか?
3歳からだね。母が週末に僕をタップクラスに連れて行ってくれたんだ。それに母はビデオをいっぱい見せてくれたよ。ビル・ロビンソンやグレゴリー・ハインズのビデオをいっぱい見たね。子供の頃、彼らをテレビやビデオで見てたんだけど、後にタップフェスティバルでそのうちの何人かに実際に会うことができたんだ!とてもラッキーだったと思うよ。
■家族の中で誰かタップダンスをする人がいたんですか?
祖母がタップダンスをやっていたよ。祖母はタップの先生のアシスタントをやっていたんだ。祖母が人前でパフォーマンスをしていたかどうかは知らないけど、タップをやってたことは確かだよ。
■3歳でタップダンスを始めてから一度もタップダンスを辞めた事はありませんか?
一度もないよ。僕はよく練習したし、発表会にも出たよ。ずっとダンスが好きなんだ。子供の頃の僕にとってダンスは、ただ「楽しい」ものだったね。
■プロのタップダンサーになりたいと思った事はありましたか?
子供の頃は、ただ楽しいことをしてるだけだったんだ。だからプロになりたかったかどうかは覚えてないな。何が夢(ゴール)だったか覚えてないけど、演技をするのも好きだったんだ。だから俳優にもなりたかったな。タップをしてると幸せだって感じるんだ。自分が好きなことができて、なお且つそれが職業になってるっていうのは幸運なことだね。最初から好きなことをやれた事を幸せだと思ってるよ。
■一度もタップをやめたいと思ったことはありませんでしたか?
実際一度だけあるよ。子供の頃通っていたクラスは僕ともう一人の男の子を除いて、あとは全員女の子だったんだ。そのもう一人の男の子がやめた時、僕は少し恥ずかしくなったんだ。だって自分がクラスで唯一の男の子になってしまったからね。たぶん8歳の時だったはずだよ。だけど、何が自分をタップダンスに戻したかっていうと、自分の妹を タップクラスに連れていかなければならなかったことなんだ。妹とスタジオに行った後、クラスに戻ることに決めたんだ。でも(男一人のクラスに)戻りたくないって思ったのは、その時のすごく短い期間だけだよ。僕が子供の頃はコミュニティーセンターでタップを習ってたんだ。小さい時はとっても臆病だったし、当時はタップダンスがどれだけすごいかって理解してなかった。だけど段々好きになっていって、今では僕だけが一人男の子でタップをやってたって事をとてもラッキーだと思ってるよ。
■ブロードウエイのショーはあなたのキャリアにとって一番大きな功績の一つだったと思いますか?
そうだね、とても大きな出来事だと思うよ。あれは、18歳の時だね。まさかブロードウエイで仕事ができるなんて夢にも思ってなかったから。それはとても特別な時間だったよ。だってセヴィアン・グローバーがいたからね。セヴィアンは自分にしてみれば、"天才"だね。世界の素晴らしいダンサーの一人だと思うよ。僕は彼から多くのことを学んだよ。タップダンスに関して言えば、あの経験が僕をより良いダンサーにしてくれた。本当に毎晩踊ってたよ。素晴らしいディレクターと仕事をする機会にも恵まれたしね!
■その他、貴重な仕事(チャンス)としてどういった経験がありましたか?
ジミー・スライドと仕事をする機会が数回あったんだ。それはミュージカルじゃなくてショーだったね。フランス、日本でもやったよ! 確か東京だったかな。彼は指導者以上の人だったね。ダンスに関することや好きなことをよく話したな。もう一つの大切な時間といえば、子供の時に初めてセヴィアンにあった時だね! 特にあの頃は映画『TAP』が出た時だったからね。彼はマスタークラスを教えていたんだ。子供の頃、自分が尊敬する人、ジミー・スライドからバスター・ブラウンまで色んな人の真似を本当にたくさんやったよ。でも僕とセヴィアンは年も近かったこともあって、彼からたくさん学んだし、良い関係を築いてることは幸運なことだと思うよ。
■世界中を飛び回っておられますが、日本の生徒とアメリカの生徒など日本とアメリカで何か違いを感じる事はありますか?
日本の生徒はとても熱心だし、技術面では正確にステップを学んでいるな、といつも思うよ。すごいエネルギーを注ぎ込む傾向があるけど、それを何でもないことのようにやってのけるよね。アメリカでは時々集中力を欠いてる人がいるんだ。でもそれってお互いを尊重していないってことだと思うんだよね。日本の文化を通して考えると、クラスの中で“互いを尊重しない”なんてことはないでしょ? もう何年も日本に行ってるから、ずいぶん日本文化が理解できるようになってきたし、日本の生徒が熱心で一生懸命な理由がわかるようになってきたよ。僕は間違いなく日本のタップダンサー(生徒達)を評価してるよ!世界中の人は皆自分なりの方法でダンスを愛してるよね。日本人は日本人のアメリカ人はアメリカ人なりの方法でね。僕は必ずしもそれぞれの”love“を比較したいとは思わないよ。でも厳密に言えば、レッスンに対する意欲には違いがあるよね。
■パフォーマンスをする時、常に心がけていることや忘れないでいることはありますか?
いい質問だね。僕は、自分のリズムを聞くことを心がけてるよ。自分のリズムや自分が何を言おうと(どのような音を作ろうと)しているかを聞くことは勿論だけど、自分の中でリズムを保つことを心がけているんだ。実際、ダンスをしているときにいつも考えているっていうわけでもないけど、、「タイミング」・「滑らかさ」・「自分(の音)を聞く」とか。ん~何ていうのかなぁ~バンドと一緒にパフォーマンスをする時は、なんて美しいサウンドなんだって考えてるし! あ、そうだ! きっとこれが答えだね。僕は「自分の感性で踊ってる」んだ。考え始めると集中できなくなって焦点を見失う事もあるから、ずーっと何か考えてるわけじゃないんだけど、考えてることがあるとしたら、“感性”だね。
■何か生活(人生)においてエキサイティングなことはありましたか?
YES! 息子が生まれたよ!!
息子は今1ヶ月と5日だね(インタビュー当日現在)至って健康だよ!!
■息子さんにタップダンサーになってほしいですか?
息子は彼自信がなりたいものになったらいいと思ってるよ。もちろんタップダンスがどんなものかってことは知って欲しいと思うけど、もし彼がなりたくなければ、タップダンサーなる必要なんてないんだ。でも父がタップダンサーだから、僕が彼に求めるとしたらただ「タップをどう踊るか」は知って欲しいかな。もし息子がタップを始めたら、それはとってもナイスなことだよね!
■次のゴール(夢)は何かありますか?
役者としてのゴールかな。今「演じる」ということについてもう一度大学で勉強しているところなんだ。あとは、6月にタップのパフォーマンスでフランスに行く予定があるよ。日本にも行きたいしね。いつもはこの時期に今年の予定を話し合うんだけど、最近とても忙しくて、いつ日本に行けるかはまだ決まってないんだ。3月にはDCタップフェスティバルがあるね。僕はそのフェスティバルで名誉な賞を貰える予定になってるんだ。パフォーマンスもする予定だよ。
■あなたについて、皆が知らないことって何かありますか?
役者をやってることかな。それから2011年に演劇の学士号を取る予定だよ。あとは、手話通訳者になるつもりなんだ。言語を勉強する事には興味があるし、他の言語を学びたいと思ってるんだ。スペイン語も習ってたけど、やめてしまって、次に手話を習い始めたんだ。昔、キャンプで耳の聞こえない人達を手助けした経験もあるよ。大学で手話を習い始めて6年になるんだけど、チャンスがあれば、公認の手話通訳者になるつもりだよ。
■最後に一言お願いします。
僕は、学びたいと思っている人にタップを教えることが好きなんだ。教えるってことは自分へのモチベーションにもなるからね!
インタビュー/翻訳:北野友子
vol.5 The 対談!(学生映画監督×COCORO)
2010年08月01日
音を大事にした映画を作りたい!
今年3月にタップダンスを題材にした自主制作映画が撮影されました。
二日間で行われた撮影の終了後、監督と出演者の方に映画について話していただきました。
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★タップを映画の題材に
佐藤) 私、この大学には映画ではなくて、プロモーションビデオを撮りたくて入ったんです。音を大事にした映画を作っていきたいと考えてて。今回、課題で映画を作るのにまぁ、バンド系でもいいかなと思ったんですけど、どうしようか悩みながら駅を歩いてたんです。で、その時に履いてた靴がブーツで、タップみたいに音がキレイに出てて、その音から「あれ?何か足の音って結構キレイだな」っていうのがあって、この音を撮(録)りたいって思ったのがきっかけですね。
COCORO) それまでに、タップの映画だったりドラマを観たことは?
佐藤) タップの映画を初めて観たのは北野武さんの「座頭市」です。
稲森) 俺も「座頭市」くらいしか思いうかばないです。
COCORO) やっぱりそうなんですねー。
★初めての生タップ
COCORO) タップを生で見るのは初めてでした?
佐藤) 生は初めてです。動画とか見てたんですけど、動画見る前はタップって足だけしか使わないイメージがあったんですよ。
稲森) 俺もダンスやってるんですけど、ダンスってどっか共通点あるって思うんで、リズムとかやったら何とかのれるんじゃないかと思ってやったんですけど…全然違いましたね。スピード感っていうのがあって、迫力ありますよね。
佐藤) 今回のこのタップの映画は、演技で見せるより、タップの音とタップの表現で見せたかった映画なので、タップをどれだけ格好良く見せることができるかっていうことが一番でした。大切にしたかったのはタップの場面ですね。
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監督:佐藤加奈さん(神戸芸術工科大学 映画専攻)
出演:稲森晃さん(神戸芸術工科大学 写真・CG専攻)
出演:COCOROさん(リズムタップダンサー) プロフィール
[この他の内容は タップダンススタイル vol.5 をご覧ください]
vol.5 海外レッスン奮闘記(北野夫妻からのエアメール-4)
2010年07月31日
2009年6月からワシントンDC近郊で暮らしていた私達ですが、実は2010年4月よりイリノイ州シカゴに引越し新たな生活を始めています。しかし今回はまず、1月29日、私達がDCで通っていたスタジオ”Knock on wood”の15周年お祝いパーティーの様子をご報告します。主催者はバカーリー・ワイルダーです。バカーリーから「今日はスタジオの15周年のお祝いです! 皆、自分をどんどん表現して自由に踊っていこう!」と挨拶がありました。「ソロで踊りたい人? グループで踊りたい人?」と聞かれると、小さな子供達がソロで踊りたいと次々に手を挙ました。この時点で日本人との違いにびっくり! さらに、踊る前には自分でバンドに曲をオーダーし、音楽に合わせて自分の中から出てくるリズムを存分に表現していました。観客を楽しませることも忘れていません! そんなアメリカの子供達を見ていると、なるほどこうやって日本人とアメリカ人の間に表現力の違いが生まれてくるんだな、と気がつきました。小さな頃から自分を表現すること・自分の中からダンスを作り出す機会が身近にあり、楽しみながら自然に覚えていくようです。この日はタップだけではなく、他のジャンルのダンサーも入り混じっていましたが、ダンスの種類という枠を越えて、『自分を表現することを楽しむこと』これこそがダンスの醍醐味であるということを改めて確認させられました。
それから3月26~28日、2回目となるDC TAP FESTIVALが盛大に開催されました。引越し前の合間を縫って私達も参加してきましたので、こちらについてもご報告したいと思います。このフェスティバルはChloe&Maud Arnold という姉妹がゼロ円の資金からスポンサーを募り、自分達も資金を投じて開催が実現したという女性ダンサー姉妹の夢と希望の詰まったフェスティバルです。ワークショップ以外にも、タップダンスの歴史を学ぶクラス、プロタップダンサーとのパネルディスカッション、ジャムセッション、パフォーマンスなど充実した内容で構成されていました。講師陣には、ジェイソン・サミュエル・スミス、バカーリー・ワイルダー、ダイアン・ワーカー、ミッシェル・ドーレンスなど豪華メンバーが名を連ねていました。初級・中級・上級と3クラスに分かれており、1時間から2時間でスキルを学ぶクラス、improvisation(即興で踊る)のクラスもありました。人気のクラスでは先生の足元が全く見えないといった状況もありましたが、1日中どっぷりとタップのレッスンをしかもプロダンサーから学べる非常に貴重な時間でした。小さな子供からお年寄りまで皆の“タップが好き”を存分に感じる数日間でした。このフェスティバルは来年もおそらく同じような日程で開催されると思います。ワシントンはホワイトハウスやスミソニアン博物館など観光名所としても有名ですので、是非旅行と合わせて来年の計画を立ててください! 特にこの時期は、運がよければワシントンの美しい桜も楽しめるかもしれません。[www.dctapfestival.com]
さて、シカゴに引っ越して来てすぐにインターネットでタップスタジオを検索しました。DCではスタジオ探しに苦労した経験があったので、今回も時間がかかることを覚悟していましたが、なんと、シカゴでは簡単にたくさんのスタジオが見つかったのです!! やはりシカゴはジャズやブルース、芸術が盛んだからでしょうか、それとも単に都会だからでしょうか、理由はわかりませんが、ダンスを習いたい人にとっては素晴らしい状況です。さらに嬉しいことに、レッスン料金が安いです! DCでは、例えば1時間のレッスンが18~20USドルでしたが、シカゴでは12~15USドルです。 そこでさっそくLou Conte Dance Stuidoという所でレッスンを受けてきました。ここはダンスのためだけのスタジオです。スタジオという名前ですが、実態は日本で言うスポーツセンターぐらいの規模があります。タップ以外にも様々な種類のダンスを毎日教えているようです。この日の次の日がイースターのお祝いだったこともあってか、生徒は私達だけでした。おかげで、先生の集中が全て私達に届き、非常に濃厚なレッスンを受けることができました。ウォームアップのためにインプロビゼーションをさせられ、これが苦手な私達は嫌な汗をかきながら何とか乗り切りました。
他にもシカゴのダウンタウンの中にいくつかスタジオを見つけたので、とりあえず全てのスタジオを訪れてレッスンを受けてみる予定です。5月29日は、National tap dance day(アメリカで「タップの神様」と呼ばれるビル・”ボージャングル“・ロビンソンの誕生日にちなんで作られそうです。アメリカ以外にも、日本、オーストラリア、インド、アイスランドなどでもこの日をお祝いするそうです。)ですので、ここシカゴでもフェスティバルが予定されているようです。次回はその報告ができると思います。残り3ヶ月の滞在となりましたが、シカゴではDC以上にタップのレッスンを楽しめそうな予感です。
レポート:北野友子